10月2日(日)
モンサンジョンのトーク&演奏会、2日目の演奏は
高橋悠治のグレングールドの小品、バッハのパルティータ6番だった。
彼はサティなどで有名だが、
私は彼の演奏は聴いたことがなかったので
結構楽しみにしていた。
が、初めから失望した。
どちらの曲も彼は楽譜を見ながら弾いていた。
おまけに、彼の目は楽譜に釘付け、
長年の経験で培われた達者さでごまかしてはいたが、
決して自分のものにしてはいなかった。
晩年のリヒテルが楽譜を見ながら弾いたのとは訳が違う。
チケット代が安いからか?
どのような場にあっても、確信をもった音楽をすべきだ。
どんなに有名かしらないが、不誠実な態度は奢りとしか思えない。
おまけに、グールドの音楽についてのコメントを求められて、
(ここで私は、気を取り直してコメントに期待したのだが)
いきなり、
「あんなに肩に力が入っていては、身体を痛めるだけですよ...」
から始まり、
「○○年代までは、ああいう弾き方が流行ったんです。
でも、ああいう弾き方は、もう古いんですね。最近ではもうああいう
弾き方って言うのは...」
???
くだらない。
別にグールド賛辞を求めていたわけではない。
そうではなく、
彼のコメントは表層的なことに終始していた。
彼に感性はあるのか?
新しい弾き方のテクニックとやらは
楽譜を見ながら、適当にごまかすことか?
音楽の演奏には理性も必要だが、
理屈のみで成り立つ音楽もまた、人の心を動かさない。
彼の音楽を聴くことは2度とないだろう。
すごい集中力というと必ず思い出します♪-------------
Vengerov Plays Bach, Shchedrin, Ysaye