10月17日(月)


2日続けて、Bashmet のコンサートに行く。


初日は、仕事だったのだが、

どうしてもこの日本初演の Kancheli の Styx を聴きたくて、

半休をとって横浜まで駆けつけた。


Kancheli は


Kancheli: Mourned By The Wind/Light Sorrow





Mourned By The Wind/Light Sorrow





というアルバムを持っているのだが、

ダイナミックレンジが非常に大きいため、わが家の住宅事情では難しく、

ヘッドフォンだと耳が大変なので、あまり聴けないでいた。


これも Bashmet が初演したらしいが、

友人への追悼曲、Mourned by the Wind、

大戦の犠牲となったこどもたちに捧げられた、Light Sorrow


祈りのような嘆きのような旋律が、

時折の怒りの一撃なのかあるいは権力の鉄拳なのか、

大音響に中断されながら

静かに続いていく...


この旋律が非常に美しく哀しい。


そんなわけで、是非聴いてみたいと思った Styx だが、

想像よりはるかに素晴らしかった。


...Styx とはギリシア神話の「生の世界」と「死の世界」の境界である

Styx 河のことで、Bashmet のヴィオラはこの二つの世界を結ぶ

役割を与えられている...


合唱による囁くような祈りの言葉、ヴィオラの哀しげな旋律、

そしてここでも時折オーケストラによる激しい高まりがあるのだが、

どの旋律もなんとも言えず美しく、クライマックスでは涙がでるほどだった。


この合唱の歌う詩の中に、Alfred Schnittke の名が見られるが、

逝ってしまった Schnittke に

呼びかけて、あるいは讃美しているのだろうか?


Bashmet もだが、神奈川フィルも指揮の広上淳一も

緊張感溢れる演奏で非常によかったと思う。


また、この神奈川県立音楽堂というホールには初めて行ったのだが、

音の響きが豊かでなんだかあたたかみがあり、とても気に入ってしまった。



Kancheli: Styx;






Kancheli: Styx