10月24日(月)


Pogorelich を初めて聴きに行く。


いろいろと評判は聞いていた。


突然のキャンセル。突然の中断。暗闇での演奏。曲目の変更。

極端に遅いテンポ...


さて、本日は?...とちょっと不安と好奇心とで会場に向かう。


キャンセルはなし。

でも曲目は全曲変更だった。


予定では、

 

 ベートーベンのソナタ24番、32番、ラフマニノフ楽興の時

 スクリャービンソナタ2番、リスト超絶技巧5番、8番、10番


だったが、

 

 ショパンノクターンOp.62-2、ソナタ3番

 スクリャービンソナタ4番、ラフマニノフソナタ2番


に変わっていた。

(これについては、彼のお詫びのことばが寄せられていた)


彼が登場してきたとき、

また真っ暗にするのかしら、と隣の席の人が言うのが聞こえた。


今回1階の後方の席しかとれなかったので、

最近視力が落ちた私は、彼の姿もピアノもくっきり見えない。


それが集中を妨げるので、ほとんど目を閉じて聴いていて、

果たして、照明は初めすごく暗くなったような気がしたが、

途中でふと目をあけると、そうでもなかった。



彼は椅子に座るや否やすぐに弾き始めた。


ゆるぎない自信に満ちた音。


しかし、そのテンポについての批評を私は理解した。


プレトニョフの瞑想モードもすごかったが、

彼の場合、

ある曲が、私の知っているカタチで出てくることは

ほとんどなかった。


いくつかの部分でテンポは普通に速く、時に爆発するのだが、

それ以外はすべて圧倒的に抑えたテンポなのだ。


ひとつの音から次の音までの時間があまりに長く、

私の体内時計では、曲の構成がまるでできない。


よく知っているはずの曲でも、

私の頭の中には次の音が準備されてしまい、

でも彼の音はずっと後になってやって来て、

曲のイメージがバラバラに壊れてしまい混乱する。


しかしその音は信念に満ち、限りなくなめらかだ。

特に、テンポの速いパッセージの驚異的なレガート。


結局、音楽を楽しむというより、その瞬間の音を楽しむ、

という感じになってしまった。


...私は何の曲を聴いてきたのだろう...?



曲の途中で席を立ち、帰る人がいるかと思えば

 (曲の途中での入場はできないのに、これはいいのか?

  他の聴いている人々への配慮が足りない行為と思うが、)

スタンディングオベーションで迎える人もいたり。


Pogorelich World の信奉者達だ。


CDでは、かなり気に入ったものもあるのだが、

残念ながら、私はこの一員にはなれなかった。


私にとっての輝ける1枚♪------------------------------


Liszt: Sonata for piano in Bm; Skryabin: Sonatas for piano No2 [from US] [Import]


 こんな演奏は

 もう聴けないのか...?








Liszt: Sonata for piano in Bm;

Skryabin: Sonatas for piano No2



ところで、Live感がとても大事な私には、この日の席はひどかった。


今のシステムでどのようにしたら前方の席がとれるのだろうか?