11月6日(日)


GyaO  を観る。


最初は、David Bowie の Reality Tour。


何年か前来日した時、私は行かなかった。

最後に行ったのは、もう10年近く前だ。


残念ながら、最近の彼の曲にはそんなに魅力を感じられない。

(全部聴いているわけではないが)


Reality [DualDisc] [Enhanced] [from US] [Import]




Reality







このアルバムも試聴したが買う気になれなかった。


が、やはり昔のファンとしては観てみようという気になったのだが、

観てびっくり!


なんと、中盤以降、全曲昔の曲ばかり。


Life on Mars が始まった時は、思わず声をあげてしまったくらい

嬉しかったが、古い曲のオンパレードになるにつれ、

複雑な気分になる。


これはTV用に編集されたもののようで、そのせいかもしれないが、

それでも!...


頼む、Bowie よ、あんな風に燃えさせてくれる曲を

もう一度創ってくれ!



次に、Steely Dan。


これは、


Aja [Original recording remastered] [from US] [Import]





Aja








をメインテーマにしたドキュメンタリー。


フュージョン系のギターやキーボードが苦手な私だが、

私にとって、彼らはそのぎりぎりのラインだ。


多分「ロック野郎」の部分も併せ持っているからだと思う。


子供の頃、Do It Again が好きだったぐらいで、

アルバムを買い集めるほど傾倒したわけではないが、

何気なくこの曲いいなと思えるものがいくつかあった。


このフィルムは、

彼ら2人の発言だけでなく、彼らの雇った様々なミュージシャン達、

Larry Carlton だとか、Wayne Shorter その他のインタヴュー、


スタジオで2人が当時の録音をトラック毎に聴かせつつ、

当時の様子を語る場面、その実際の演奏場面など、


興味をそそられる部分がたくさんあり、真剣に観てしまった。


Aja




Aja









きょうは早く寝ようと思っていたのに...





11月3日(木)


Depeche Mode。



Playing the Angel [from US] [Import]




Playing the Angel







国内盤はボーナストラックがついているようですが、

UK盤とUS盤では、ボーナスDVDがついているものがあります。

(UK盤の方は、hybrid SACD+DVD、US盤はCD+DVD:


Notes:
This is the first album to come with a bonus DVD.

On the UK release,

the "Deluxe Edition" comes with a SACD, and a DVD.

For the US release,

the "Deluxe Edition" has the same content,

but comes as a CD and a DVD with the DVD

having the UK SACD's surround mixes.


だそうです。)


個人的には、DVD付のほうが好みです。(私はUK盤)

メイキングシーンなども観ることができます。


少し前から、DM熱が再燃しているので、

ぐっとアルバム等が増えてしまいました。


今回のアルバムも...


♪... Words are very unnecessary
              They can only do harm...


Just listen !


---------------------------------------------

なのですが、Martin のコメントをひとつだけ紹介します。


...I've never seen our music as being over dark.

There is always an element of hope in our music.


そして、

♪...Trusting in the one thing
The one thing that this life has not denied us.

(from Damaged People)





10月30日(日)


普段、管楽器はあまり聴かないのだが、

年に1ぺんくらい、フランス的なものを感じたくなった時に

コンサートに行く。


今回は、豪華メンバーの Les Vents Francais 。


フルートがパユ、オーボエがルルー、クラリネットがメイエ、

ホルンのヴラトコヴィッチ、バソンのオダン。

ピアノがル・サージュ。


プログラムは、イベール、リゲティ、望月 京(初演)、

ミヨー、オーリック、プーランク。


さすが、各界のスターだけあって、一糸乱れぬアンサンブル、

バソンやホルンなどいつもオーケストラの後方でしか

聴かないような楽器も前面にでて、面白い。


世界初演の望月 京のラグーンも興味深い曲だったが、

私にとってのメインは、プーランクの六重奏曲だった。


Les Vents Francais
/ Sextuor-french Modern Wood Wind Works



プーランクというと思い出すのだが、


彼は、自分の曲の演奏者について、よくこぼしていたと言う。


正確には覚えていないが、

...ソースはたっぷりこってりでなくてはならない。

みんなペダルの踏み方が足りなすぎる...


みたいなことで、

そうか、プーランクはソースやバターたっぷりのフランス料理なんだ、

と感じ入ったのだが、


今回のこの曲は、なじみやすい旋律、5つの管楽器とピアノが

華やかで楽しめる。



ところで、ル・サージュのピアノをきょう初めて聴いたのだが、

柔らかく軽いタッチで、時に jazzy な感じもあって、

すごく気に入ってしまった。


軽妙洒脱、というのか、

これが、Kissin に感じられないところなのだが。



...これを書きながら、久しぶりに Sofronitsky を聴いて

しびれてます。


声入りです。  うーん、熱いぜ!


この何日かで、ロシア、スペイン、ドイツ、フランスを

旅してしまった。


このあと、GyaO 配信終了前に、

Paul Weller をもう一度観るので、プラス英米?


止まりません。

Music is my drug !


 

10月30日(日)


Kissin






 

 Scriabin, Medtner,

 Stravinsky







Kissin came back to Russ!


Chopin に定評ある彼だが、私は彼のロシア物が大好きだ。


あの厚みのある音がロシア物にぴったりな気がして、
今回、1曲目の Scriabin を試聴して、すぐに購入を決めてしまった。


柔らかく深く引き込まれるような音。


続く、ソナタの3番でも同じ...なのだが、なぜか私の集中力が続かない。


あの曲だったっけ...?   なんだか印象が違う。


Kissin のピアノはとても美しいのだけれど、


Sofronitsky/Scriabin






Sofronitsky / Scriabin  







一時期、夢中になって聴いていたせいか、

Sofronitsky の方が、ぐっと熱くなれる。


テンポのせいだろうか? 

炎のような激しい感じが全然違うのだ。



Kissin に戻って、

Medtner で、懐かしいような想いにひたった後、

Petrouchka では、まさに Hair-trigger なすさまじさだ。


激しい超絶技巧を存分に堪能できる、のだが、

正直言って、少々疲れてしまった。


レヴューなどでは絶賛されているけれど。


なんというか遊びっぽい部分が感じられないというか...

Kissin は好きなのだが、しばしばこんな感じを抱いてしまう。


この曲は、Rubinstein に献呈されたらしいが、

残念ながら、彼の弾いたStravinsky を聴いたことがない。


彼はどのように弾いたのだろうか?



さて、この後フランスに行かねばなりません。



10月30日(日)


最近気になるCDやDVDが多くて困る。


嬉しいのだけれど、経済的に困ってしまう...

今年はコンサートも結構行ったので、厳しい状況です......


注文していたCDを取りに行ったときのこと。


すぐに帰ろうと思っていたものの、

やっぱりなんとなくうろうろしてしまう。


ふと、店内に Bach が流れ始めたのに気付く。


Violin だ。無伴奏。



いろいろと物色しながらも、気になってしまう。


誰なんだろう...

頭に、心に、音が飛び込んでくる。


...こんな風に足を止めさせてしまうような音楽が、

私にとってのいい音楽。


カウンターに行ってみると、なんと、Kremer だった。



Gidon Kremer



The Sonatas and Partitas

for Violin Solo







再録音だという。


なぜか私は Kremer があまり好きになれないのだが、

でも、以前この無伴奏の私的決定盤を買おうとした時も、

結局 彼のを選んだのだった。


そしてまた、今回も、引き寄せられてしまった。


旧盤の方がより鋭く厳しい感じだったような気がするのだけれど、

時間のあるときに、じっくり聴き比べてみようかな...





10月27日(木)


偶然見つけた1枚。


Segovia in Portrait Segovia in Portrait


感激の一枚!


Segovia。


彼のギターがただ聴けるだけでなく、


自身の生い立ちや、ギター職人ラミレスとの出会い、

音楽への想い、ギターへの愛、などを彼自身が語る映像、


彼の最後の家となるCosta del Sol の Los Olivos、

美しいGranada 、Alhambra の映像、


彼の詩の朗読(ヒメネスの「プラテロと私」より)と

それをもとに創られたテデスコの曲の演奏、


Alhambra での演奏...


とにかく、魅力的な映像と音楽のいっぱい詰まった一枚。



ギターはオーケストラの楽器すべてを表現できる、と言い、

奏でてみせるのだが、

ギターがこんなに多彩な音色だったかと驚かされる。


彼の弾くChopin の Prelude を聴くと、

まるで、ギターのために創られた曲を聴いているように感じる。

ビアノの詩人と言われる Chopin の曲なのに、

まるで、ギターのほうがこの曲にふさわしいかのような。


何よりも彼はギターに、ギターの創る音楽に魅せられており、

それが聴くものを魅了する。




彼は自身がギターを弾くことを destiny と何度も言っていたが、

このように何かをなし得た人々は皆、同様のことを言っているように

思える。


ある時、天啓のように、

自分がなすべきことを、自分にはこれしかない、と悟る。


gifted people 。


生まれ変わることができるとしたら、

そんな人生を歩むことができたら...


それ以上幸福なことはないと思える。






10月24日(月)


Pogorelich を初めて聴きに行く。


いろいろと評判は聞いていた。


突然のキャンセル。突然の中断。暗闇での演奏。曲目の変更。

極端に遅いテンポ...


さて、本日は?...とちょっと不安と好奇心とで会場に向かう。


キャンセルはなし。

でも曲目は全曲変更だった。


予定では、

 

 ベートーベンのソナタ24番、32番、ラフマニノフ楽興の時

 スクリャービンソナタ2番、リスト超絶技巧5番、8番、10番


だったが、

 

 ショパンノクターンOp.62-2、ソナタ3番

 スクリャービンソナタ4番、ラフマニノフソナタ2番


に変わっていた。

(これについては、彼のお詫びのことばが寄せられていた)


彼が登場してきたとき、

また真っ暗にするのかしら、と隣の席の人が言うのが聞こえた。


今回1階の後方の席しかとれなかったので、

最近視力が落ちた私は、彼の姿もピアノもくっきり見えない。


それが集中を妨げるので、ほとんど目を閉じて聴いていて、

果たして、照明は初めすごく暗くなったような気がしたが、

途中でふと目をあけると、そうでもなかった。



彼は椅子に座るや否やすぐに弾き始めた。


ゆるぎない自信に満ちた音。


しかし、そのテンポについての批評を私は理解した。


プレトニョフの瞑想モードもすごかったが、

彼の場合、

ある曲が、私の知っているカタチで出てくることは

ほとんどなかった。


いくつかの部分でテンポは普通に速く、時に爆発するのだが、

それ以外はすべて圧倒的に抑えたテンポなのだ。


ひとつの音から次の音までの時間があまりに長く、

私の体内時計では、曲の構成がまるでできない。


よく知っているはずの曲でも、

私の頭の中には次の音が準備されてしまい、

でも彼の音はずっと後になってやって来て、

曲のイメージがバラバラに壊れてしまい混乱する。


しかしその音は信念に満ち、限りなくなめらかだ。

特に、テンポの速いパッセージの驚異的なレガート。


結局、音楽を楽しむというより、その瞬間の音を楽しむ、

という感じになってしまった。


...私は何の曲を聴いてきたのだろう...?



曲の途中で席を立ち、帰る人がいるかと思えば

 (曲の途中での入場はできないのに、これはいいのか?

  他の聴いている人々への配慮が足りない行為と思うが、)

スタンディングオベーションで迎える人もいたり。


Pogorelich World の信奉者達だ。


CDでは、かなり気に入ったものもあるのだが、

残念ながら、私はこの一員にはなれなかった。


私にとっての輝ける1枚♪------------------------------


Liszt: Sonata for piano in Bm; Skryabin: Sonatas for piano No2 [from US] [Import]


 こんな演奏は

 もう聴けないのか...?








Liszt: Sonata for piano in Bm;

Skryabin: Sonatas for piano No2



ところで、Live感がとても大事な私には、この日の席はひどかった。


今のシステムでどのようにしたら前方の席がとれるのだろうか?



10月23日(日)


Bashmet & Moscow Soloists 。


今回は、Bashmet 3日目。


前半は、ブランデンブルグの6番と、森麻季のソプラノでヘンデル。

後半は、武満の3つの映画音楽とモーツァルトの協奏交響曲。


この中で、武満の3つの映画音楽は、以前彼らの演奏で聴いて以来、

すっかり気に入ってしまい、すごく楽しみにしていたもの。


彼らはよく武満を演奏するようだが、残念ながらCDがでていない。


特に現代音楽だとか武満が好きなわけではないけれど、

(「夢の時」という曲を聴いた時など、

本当に夢の中に行ってしまいそうだった)

数ある武満の曲のなかでも、この3つの映画音楽は、とても聴きやすい

と思う。


特に「ワルツ」なんて、モノクロの回想シーンとかパリの風景とかが

浮かんできて、うっとり。


この日はアンコールが何曲かあったのだが、

その中で、シュニトケのポルカにまたうっとり。

スラブ風の雰囲気の美しい音楽だった。


いつも思うのだが、Bashmet や Moscow Soloists は

ショスタコやシュニトケや武満を演っている方が絶対合っている。


チャイコやモーツァルト、バッハもいいけれど、

彼らの個性や良さがあまりよく伝わってこない。


ところが、ショスタコなんかになるといきなり水を得た魚のようだ。

どんぴしゃ!これで決まり! みたいな。


だから、もっとそういうプログラムにしてください。

そして早く武満出してくださーい♪


武満徹:黒い雨/利休~自撰(映画音楽)


武満徹:

黒い雨/利休~自撰(映画音楽)


こちらは、ロンドン・シンフォニエッタ



シュニトケのポルカ




シュニトケのポルカ


  こちらはクレーメル。







10月17日(月)


昨日は、Bashmet リサイタル。



Schubert: Sonata "Arpeggione"  では、


Mikhail Muntian のピアノが非常に優しくやわらかく

彼の良さを再認識した。



Brahms: Clarinet Quintet in Bm Op115 [from US] [Import]






Brahms: String Quintet in Bm Op115






Moscow Soloists のメンバーとのこの弦楽五重奏曲は

以前にも聴いたように思うが、

Brahms の円熟味溢れた美しいこの曲を

彼らは情感たっぷりきっちり仕上げてくれた。


2日間、美しい音楽と、海の見える横浜で過ごし、

ちょっとリフレッシュ♪








10月17日(月)


2日続けて、Bashmet のコンサートに行く。


初日は、仕事だったのだが、

どうしてもこの日本初演の Kancheli の Styx を聴きたくて、

半休をとって横浜まで駆けつけた。


Kancheli は


Kancheli: Mourned By The Wind/Light Sorrow





Mourned By The Wind/Light Sorrow





というアルバムを持っているのだが、

ダイナミックレンジが非常に大きいため、わが家の住宅事情では難しく、

ヘッドフォンだと耳が大変なので、あまり聴けないでいた。


これも Bashmet が初演したらしいが、

友人への追悼曲、Mourned by the Wind、

大戦の犠牲となったこどもたちに捧げられた、Light Sorrow


祈りのような嘆きのような旋律が、

時折の怒りの一撃なのかあるいは権力の鉄拳なのか、

大音響に中断されながら

静かに続いていく...


この旋律が非常に美しく哀しい。


そんなわけで、是非聴いてみたいと思った Styx だが、

想像よりはるかに素晴らしかった。


...Styx とはギリシア神話の「生の世界」と「死の世界」の境界である

Styx 河のことで、Bashmet のヴィオラはこの二つの世界を結ぶ

役割を与えられている...


合唱による囁くような祈りの言葉、ヴィオラの哀しげな旋律、

そしてここでも時折オーケストラによる激しい高まりがあるのだが、

どの旋律もなんとも言えず美しく、クライマックスでは涙がでるほどだった。


この合唱の歌う詩の中に、Alfred Schnittke の名が見られるが、

逝ってしまった Schnittke に

呼びかけて、あるいは讃美しているのだろうか?


Bashmet もだが、神奈川フィルも指揮の広上淳一も

緊張感溢れる演奏で非常によかったと思う。


また、この神奈川県立音楽堂というホールには初めて行ったのだが、

音の響きが豊かでなんだかあたたかみがあり、とても気に入ってしまった。



Kancheli: Styx;






Kancheli: Styx